母親学級

毎週木曜日に母親学級があります。

母親学級1 妊娠6ヶ月までの妊婦さん向けに 第1木曜日(予約不要)

1)妊娠中の歯の手入れ、虫歯予防について財部町宅間歯科医院の宅間先生による講演があります。
2)妊娠中のすごし方、食事について助産師と栄養士による指導
3)流早産の予防、体重管理について医師による指導

※妊娠10週〜22週の妊婦さんが対象です。

母親学級2 妊娠28週以降の妊婦さん向けに 第3木曜日(予約不要)

1)当院での分娩管理方法 ⇒ 医師からの説明があります。
2)病室・分娩室の見学、入院案内、呼吸法と分娩について ⇒ 看護師からの説明
3)乳房マッサージの方法、母乳育児について ⇒ 助産師からの指導

◎予定日超過について

妊娠37週〜40週の間で自然に陣痛が発来(はつらい)するように努力する必要があります。(⇒適当な20〜30分程度の散歩、妊婦体操、ヨーガ、乳房マッサージ) 予定日から1週間までが40週ですが1週間過ぎると41週にはいります。2週間すぎると42週で、「過期産」(かきさん)といって、異常になります。

予定日になっても産まれないことを「予定日超過」と言います。

予定日をなるべく過ぎないようにしましょう。胎盤には寿命があるからです。胎盤には赤ちゃんを守る重要な働きがいろいろありますが、そのなかで最も重要なものが臍帯(さいたい)を介して赤ちゃんに酸素を送り込むという機能です。予定日を過ぎますと、全例ではありませんが胎盤の老化により酸素供給機能が低下してきます。予定日を超過して陣痛が来ると、陣痛自体がストレスとなります。大きくなりすぎた赤ちゃんに対して老化した胎盤が酸素をうまく送れなくなりお腹の中で赤ちゃんはだんだんと苦しくなることがあります。苦しくなると赤ちゃんはウンチ(=胎便 緑色です。)を失禁(しっきん)してしまい、羊水が緑色に濁ってきます。これを我々は羊水混濁(ようすいこんだく)と呼んでおり、潜在的な胎児機能不全状態を疑う所見です。混濁した羊水をたくさん気管支に吸い込みますと出生後に「胎便吸引症候群」という重症肺炎をひきおこすことがあり、命取りになる可能性もあります。

妊娠41週になると、大半の産婦人科では陣痛促進剤による分娩誘導がおこなわれるようになります。ある程度胎盤機能低下が疑われる状況ですが、陣痛が無いとお産できませんので陣痛促進剤がやむを得ず使用されます。必ず胎児監視装置(胎児心拍数モニター)が妊婦さんのお腹に装着され、厳重な監視下に自動輸液ポンプを使用し慎重に陣痛促進剤の点滴静注投与がなされます。ほとんどは順調に生まれますが、胎盤機能が低下していると、陣痛そのものが胎盤へのストレスとなり、胎児が低酸素状態におちいるケースが出てきます。胎児心拍数モニターで胎児機能不全(NRFS)と判定されますと、緊急帝王切開となってしまうこともあります。したがって、いそいち産婦人科では、41週以降での陣痛促進剤の使用をなるべく回避する努力をしています。

 

妊娠38週〜39週、つまり予定日までの1〜2週間の間に生んでしまうのが理想的です。胎盤機能がしっかりしているから、強い陣痛が来ても、しっかり酸素を赤ちゃんに送れますので問題ありません。陣痛はストレスにならず、赤ちゃんを生み出すパワーとなり、この時期に陣痛が来たとしたら「あーうれしい。これで赤ちゃんに会える。よかった。」と思えばいいのです。良いものが来てくれたと思えば、陣痛も苦になりません。ちなみに、この時期の陣痛促進剤の使用は比較的安全です。産婦さんの希望やそのほかの医学的理由により陣痛促進剤を使って分娩誘導する場合は妊娠37週〜39週の予定日前に行う事が多いのです。

 

初産(ういざん)においては、臨月(りんげつ)に胎児の頭(児頭)が下図左のように骨盤内に充分、下降してくる必要があります。骨盤内に子宮の出口(子宮頚管)が存在します。児頭が骨盤内に徐々に下降し、時間をかけて、子宮頚管をゆっくりとおしひろげて、やわらかく開かせていきます。これを「子宮頚管成熟」と称しています。下図右のように、児頭があまり下がらない状態(浮遊状態)が続きますと、そのうちに児頭がおおきくなってしまい、骨盤内に下降しづらくなり、子宮の出口が固く閉じた状態で残ってしまいます。つまり子宮頚管成熟が遅れている状態で、「子宮頚管熟化不全」と称しています。ほっておくと破水でもしない限り、平気であっという間に1〜2週間、予定日を超過していきます。

妊娠37週以降、「内診」(内診台にすわってもらい、子宮の出口の状態を診察する。)を行い、子宮頚管(子宮の出口⇒子宮口)の開き具合、児頭がどの程度下降しているか、頚管のやわらかさ、頚管の薄さ、子宮口の位置などを調べ、子宮頚管成熟度(ペルビックスコア)と称していますが、生まれやすさを評価します。最近は、予定日前後になっても、子宮頚管成熟が遅れている人が増えています。運動不足(車社会で歩くことが減ってきた。しゃがんで行う家事が減った。)、食べ過ぎ(飽食、美食の時代 ふつうの食事が高カロリー)、初産の高年齢化 ⇒平均の初産年齢が30歳をこえた。)、太りすぎ(平気で10kg以上体重が増える。)・・・などなど様々な要因があると思いますが、現代の妊婦さんでは、ほっておくと妊娠41週以降のお産がどんどん増えて来ます。そうなると、妊娠41週以降での陣痛促進剤の使用頻度が増えてしまうのです。41週以降で陣痛促進剤はあまり使いたくないのです。・・・・産科医にとっては悩ましい問題です。

◎ 頚管成熟が遅れている場合、どうすればよいのか?

いそいち産婦人科開業以来、この問題解決に必死に取り組んできました。以下のような対策をとるようになって、10年前くらいから、妊娠41週以降のお産が大幅に減少しています。

(1) 助産師による妊婦体操指導強化・マタニティーヨガ教室の開設、助産師外来での食事指導・乳房マッサージ指導の強化。助産師・看護師による母親学級での指導充実化。

(2) 妊婦検診での超音波断層検査の充実化。助産師外来では助産師が超音波検査を行い胎児の推定体重を計測しています(妊娠35週まで)。
医師が超音波による骨盤計測(産科的真結合線、骨盤開角、児頭下降度、仙骨形態の評価)、羊水量、胎盤成熟度、臍帯巻絡の有無、臍帯および胎児脳内血流計測などを行います。36週以降は毎週、医師が胎児の推定体重を計測します。

(3) 内診所見と超音波検査から得られた情報に基づいて、皆さんのお産が軽いものになるのか難産になりそうなのか、予定日を過ぎてしまいそうなのかを、お産の前にある程度予想しておきます。詳しくは述べませんが、軽い方からA~Eまでの評価を行います。D~Eの評価を受けた妊婦さんについては難産予防対策を強化します。

(4) 頚管成熟度が低い人に対しては、妊娠38週頃に昼間だけ入院してもらい、ラミセル(スポンジ状の細い棒)やダイラパン(親水性ポリマーでできた細い棒)を朝の8時頃、子宮頚管内に挿入し、夕方抜きます。そうすると頚管が3cmくらい開大します。
子宮口が3cm以上開大すると時に破水することもありますが、自然に40週までに陣痛が発来する可能性が高くなります。ラミセルやダイラパンのおかげで予定日超過が減りました。しかし、強制はしません。かならずインフォームドコンセントを得て行います。

 

そのほか、母親学級(2)では、当院での分娩管理方法について、医師が詳細に説明いたしますので、必ず受講されることをおすすめします。

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